
今回は「釣り込み腰」「袖釣り込み腰」を解説します。
一見入り方が違うので別の技の様に見えますが、同系統の技です。
「袖釣り込み腰」は「釣り込み腰」の応用型といった技です。
右組手なら左側から、左組手なら右側から入る技なので、相手の意表を突く事が出来ます。
相手は釣り手を天に吊り上げられ、同時に袖から手を切られてしまい、更に体が横向きになるので、 想定していないと成す術なく投げられてしまいます。
他にこういう手の使い方をする技がないので対応しにくいという事です。
相手は釣り手を天に吊り上げられ、同時に袖から手を切られてしまい、更に体が横向きになるので、 想定していないと成す術なく投げられてしまいます。
他にこういう手の使い方をする技がないので対応しにくいという事です。
という事で、他の大技に比べると少々難易度が高い技です。
2段レベルの実力者から使う人が増えるイメージです。
…正直すぎひろは使った事のない技なので、今回の解説は自分なりに検証したやり方になります。
この技を得意にしている人にとっては拙(つたな)く違和感のある説明になっているかもしれませんが、そこはご了承ください(汗)
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技の掛け方
柔道の「投げの型」で行う「釣り込み腰」は、
しゃがんで入り込み、釣り手は上に伸ばすだけの形になるので、ここで説明する手順とは異なる点をご了承ください。
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むしろ腕を伸ばす形は、「袖釣り込み腰」に反映されている感じです。
ここでは右組手で説明します。左の人はそのまま反転してください。
手順:釣り込み腰
①右自然体で組む![]() |
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②相手の右足手前に右足を踏み込む
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③相手の左脇に、釣り手側の右肘を押し込む様に入れる。
同時に、相手の股ぐら中央に腰を落としていく。
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④お辞儀と同時に膝を伸ばし、相手を浮かす
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⑤上半身をひねり、相手を投げる
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⑥投げた後は背筋を伸ばし、相手の衝撃を和らげるために、両手で上に引いてあげる
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手順:袖釣り込み腰
①右自然体で組む![]() |
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②相手の右足手前に右足を踏み込む
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③引き手を天に釣り上げ、反転して左側から相手の左足前に自分の左足を踏み込む
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④自分の腰に相手の腹を乗っけるように潜り込む。
引き手をまっすぐ伸ばし、相手の体が完全に伸び切る様にする。
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⑤上半身を思い切りひねり、釣り手を引き手代わりにして投げる
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⑥投げた後は背筋を伸ばし、相手の衝撃を和らげるために、両手を上に引いてあげる
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注意点:釣り込み腰
手順③で、ただ肘を入れるだけだと重心が左足と後ろ側に偏るので、崩れるリスクがある。最悪、相手に返し技で投げられてしまう。
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ポイント:釣り込み腰
同じ担ぎ技の「背負い投げ」と比較すると、○肘を入れる脇が手前

(左:背負い投げ・右:釣り込み腰)
○相手の股ぐらの真ん中にしゃがみ込む
○両足のつま先が揃っている

(左:背負い投げ・右:釣り込み腰)
というように、意外と違う点が多い。
背負い投げの様に全身のバネを使って投げるというより、一旦相手の体を浮かせてから投げ落とす場所をコントロールするイメージ。
「袖釣り込み腰」では、担ぎ上げた後に相手の抵抗具合で投げ落とす場所が変わる事がよくある。
まあ、「一本背負い」でもコントロールするケースは多いですけど。
平成の三四郎こと 古賀稔彦9段(参考:ウィキペディア)の技は典型的。
右で入ったのに、左や後ろに投げたりしていた。
相手が頭上を畳に打ち付けられて痛そうだったり(笑)
相手の両足を高く宙に浮かせたからこそ出来た芸当なのでしょうけど。
普通はできません!
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連絡変化
単発で技に入っても、なかなか相手を投げられません。
技と技を連携させて攻める事を「連絡変化」といいます。
詳しくは以下の記事を読んでみてください。

立ち技で相手を投げるためには、自分が技に入りやすい組み手に持っていく、相手を崩してから入る、連続で技を掛けて投げる… 【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
…とは言ったものの、今まで紹介した技と同じような連絡変化で入れるタイプの技ではないです。
「釣り込み腰」は直前に他の技などで崩してから入るというより、しっかり組み固めてから入るタイプの様に思えます。
(僕はほとんどやらない技なので断言できませんが、やってみた感覚的に!)
背負い投げと反対の脇に肘を入れ込む分、重心が後ろになりやすい傾向があります。
「八方崩し」は崩しで使うというより、技の入りやすい体勢になる様に相手を誘導するイメージで使うといいです。
八方崩し(左)→釣り込み腰
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相手を左に崩すことで、肘を入れ込む相手の脇を近くする。
八方崩し(右)→釣り込み腰
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相手を右側に引き寄せてから、近寄った相手の脇に肘を押し込む様に入れる。
その圧力で相手がやや後ずさりする所を、技に入る。
単純に肘を入れるだけだと、自ら重心を後ろに崩した状態になり、返し技の格好の餌食になるので注意!
逆に「袖釣り込み腰」の場合は、連絡変化から掛けるパターンが多いように感じます。
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背負い投げ→袖釣り込み腰
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右から左、または左から右へ変化するため、意表を突きやすい。
背負い投げで懐に潜られ、直後に急に片手を上に吊り上げられて体制が崩れるなど、成功率が高い連絡変化技です。
これができると、「担ぎ技のスペシャリスト」として注目されるかも!?
釣り込み腰→袖釣り込み腰
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これも左右変化が効果的な連絡変化。
例えば、右の技を掛けられると相手は左に逃げようと動くので、そこで左の技に切り替える。
すると相手が反応しきれず、そのまま技を食らってしまう、という流れ。
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応用
右の「釣り込み腰」左の「袖釣り込み腰」
と両方練習するとレパートリーも広がりますので、ぜひ2つ共マスターしましょう。
も左右どちらでも入れる技になります。
腰を入れていく技を左右両方使えるような器用な人だったら、更にレパートリーも増やせるでしょう。
以下が、「袖釣り込み腰」の応用例。
「丸山スペシャル」

オリンピック出場経験のある 丸山顕志さん (丸山城志郎選手(四段)の父)(参考:ウィキペディア) の得意技で、変形の袖釣り込み腰。
技に入った後、釣り手を離して相手のズボンの膝辺りを掴んでそのまま体を回転させて投げる。
余談ですが、最近東京五輪代表候補の某選手と揉めました。詳細は割愛しますが。
「橋本スペシャル」
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橋本壮市選手(五段)(参考:ウィキペディア)の得意技。
引き手だけを持ち、片手で入る変形の袖釣り込み腰。
背負い投げの「片襟背負い」的なイメージ。
両袖を持って入る
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某柔道ユーチューバーの方が使っているのを見て、

と知り、追加しました。
釣り手側で相手の袖先を持ち、背負い投げのように入る。
但し、肘は相手の脇には突っ込まない。
自分の引き手より上に、釣り手側の肘を持ってくる形。
相手の引き手を自分の横腹に引き寄せ、巻き込みつつ腰のバネで投げる。
但し、肘は相手の脇には突っ込まない。
自分の引き手より上に、釣り手側の肘を持ってくる形。
相手の引き手を自分の横腹に引き寄せ、巻き込みつつ腰のバネで投げる。
両袖持ちは「6秒ルール」が適用されると思いますので、掴んだらすぐ技に入るようにしましょう。
反則ポイント受けますので!
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PS.
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