『WEB漫画『三勇士』シナリオ=その7』中年ニート在宅ワーク希望ブログ
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『三勇士』
シナリオその7

「その6」からの続きです。

 

隊長の判断

S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像
 

( S. Hermann & F. Richterによる Pixabayからの画像)

中隊長
「納得いかないのは…役人のアムドについてだ。
役職は罷免され、しばらく自宅謹慎になった。」



ガトー
「…まさか、それだけですか?
賄賂の件は―」



中隊長
「もらっていた証拠がないというのが隊長殿の見解だ」

中隊長
「あくまでアムドは村の若者たちの生活状況に憂慮し、人情からこうした行動をしてしまっていたと判断された」



フィレンツェ
「そ、そんなふざけたことがありますか!
私たちは本人から証言を聞いています!
メモ書きですけどローゼスの手下の証言も提出したはずです」



中隊長
「それも不確かと判断された。
そなたたちに怯え、
『命乞いのためにそのような証言をさせられた』
とアムド本人から聞かされたという事だ!」



ガトー
「真っ赤な嘘です!
隊長は私達の行動に納得がいかない、落ち度があったとお考えなのででしょうか?」



中隊長
「それは正直感じられた。
しかし隊長殿の判断が最終決定案になってしまった。
我々には、もう少し調査の時間が必要であった。」



トフィ
「もうこの隊長の総括が全てで、巡検も終わると…」



中隊長
「すまないがそういう事になる。
だが自信を持ってくれ!」

中隊長
「君達の行いは間違いなく正しかった!
悪徳ブローカーを捕まえ、村の若者を救えたのだから!」




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徒労感

5477687によるPixabayからの画像
 

( 5477687による Pixabayからの画像)

○上官殿は精一杯称賛してくれたが、3人はすっかり落胆してしまった。

ガトー
「皆にどう話せば・・・」



フィレンツェ
「俺の責任だ。
おれが鼓舞したせいで、皆に無駄な事をさせてしまった」

フィレンツェ
「今後もし兵隊に採用されても断ってしまうだろう。
オレも含めて」



トフィ、ものすごい憤りを覚える。

トフィ
「折角これほど素晴らしい仲間たちと出会えたのに。
こんなに短い間で、しかも皆キャリアもないのにここまで連携して色々できた」

トフィ
「それがこんな結末で良いわけがない!
…フィレンツェ、ガトーとの出会いをここで終わらせたくない!」




○結局3人共この納得いかない結果を、宿舎で待っていた仲間に話すことができなかった。
「首都に戻ってから話す」
と、作り笑顔で対応するしかなかった。


○首都バスタウェストに巡検隊戻る。

早速意気揚々と隊長が王に報告に上がる。


第5小隊は隊長の王への謁見が終わり次第解散となる。

数日後、兵士としての採用可否の通知が来る。


今日でもう終わり、徒労感ばかり残る3人。

他の新兵もその様子を察し、元気がない。

このままでは誰も兵士になどなろうとは思わないだろう。


3人共一言も発しなかったが、
「このままで終わりたくない」
という強い思いで一致していた。


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王としての総括

FelixMittermeierによるPixabayからの画像
 

( FelixMittermeierによる Pixabayからの画像)

○王謁見のシーン。

得意げな顔の巡検隊長。

その様子を部屋の一番端で見ているトフィの上官。


「ご苦労であった。
見事此度の巡検で騒動を解決してくれた。
感謝する」



隊長
「はっ、ありがたき幸せにございます。
―こちらが最終報告書になります」



王が報告書を熟読する。

「早く褒めてくれないかな~」という表情の隊長。


○一通り読み終えると、王が隊長に質問しだした。


「ふむ、生贄の風習の復活の原因は、裏で労働力の提供があったということか」


「悪徳ブローカーの逮捕、生贄にされた若者の解放、それは分かるが、騒動の当事者である村役人アムドへの処分がいささか軽くはないか?」



隊長
「そ、それは報告書の通り、アムド殿に悪意はなく、賄賂を受け取ったという確証が無かったからにございます」




「…そうか。
では、事件の直接の解決に携わった第5小隊について聞くが―」


「調査がうまくいかなかったため休止を申し出たにもかかわらず裏で継続し、上司に無断で事を成した件は好ましくない」


「軍規違反に準ずるもので、組織の機能に乱れを及ぼす可能性が高い」




「ある意味、たまたまうまくいったといわざるを得ない。
キャリアの少ない新兵という事も考慮し、今回は罪には問わぬが評価すべきでもない」


「―なるほど、これだけ見ればごもっともだ」



隊長
「は、はあ…」



王の言い回しに何かしっくりこない隊長。



「ではこのアッサム12世の、王としての総括を述べよう―」




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最後の挨拶

Ulrike LeoneによるPixabayからの画像
 

( Ulrike Leoneによる Pixabayからの画像)

トフィ
「もうそろそろか…」



トフィ
「みんな、本当にごくろうだった。
これから謁見に出席されている上官殿が陛下の御言葉を述べられにくる」

トフィ
「それがたとえ納得いかないことであっても、みんな悲観しないでくれ」

トフィ
「今回の経験は短い期間だったが、今後の人生にもずっと輝き続けることだろう」



トフィ
「みんな…誇りを持ちつづけてくれ!」



もうよからぬ結果と決めつけたトフィの最後の挨拶。


みんな「やはりそうか」と沈んだ雰囲気に。

涙ぐむ者もいる。


○第5小隊の待機する部屋に、上官殿が来る。

何か考え込んでいるような表情。


中隊長
「待たせたな!
では陛下の御言葉を伝えよう」

中隊長
「…う~ん、どう話せばいいことやら…」



上官の妙なリアクションに、皆
「何か別の事があったのか?」
と違った緊張感が流れる。


トフィ
「結論として、やはり隊長の総括通りですよ…ね?」



中隊長
「そんな流れだとは思ったんだがな…。
でも少し違ったんだ。」



ガトー
「何が…ですか?」



中隊長
「まず陛下は、このように申された―」






今回はここまで。

最終回「その8」に続きます。


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