今回は「払い腰」を解説します。
この技ははっきりいって体格の良い人、特にあんこ型に有利です。
軽量級の選手で得意技にしている人を、あまり見た事がありません。
「内股」と同じく軸足1本立ちになる技なので、返し技を食らうリスクはあります。
ですが、そこは体格差でカバーできたりします。
大技・得意技として「大外刈り」「内股」と一緒に使う選手が大多数といっていいです。
ほとんどの中高生のデブは、このパターンに当てはまります(失礼!言い過ぎかも?)
目次
①技の掛け方 |
技の掛け方
手順
ここでは右組手で説明します。左の人はそのまま反転してください。①互いに正自然体で組みあう
②右自護体に構える
③右足を相手の両足の中央手前辺りに踏み込む
④少し体を時計回りに反転させ、左足を自分の右足にクロスする形で持っていく
・左足はつま先立ち。右足は踵(かかと)が床に触れていても可。少し両膝を曲げて相手より低い姿勢を取る。
・同時に引き手は肘を上げて真横に、釣り手は肘から拳部分を床と垂直に立て、 自分の右胸に相手を乗せるイメージで引き出してくっつける。
自分から相手に体を寄せない。相手を自分側に少しつんのめさせる。
⑤釣り手と引き手の形は固定したまま、相手を前方に放り出すイメージで、上半身を反時計回りにひねる
⑥相手の右脚外側の膝からもも当たりを、右脚全体を使って払っていく
⑦投げた後は背筋を伸ばし、相手の衝撃を和らげるために、両手で上に引いてあげる
目次に戻る
注意点
○手順④で相手を引き出した時の格好は、自分が床と垂直に真っ直ぐ立っていて、 相手はつま先立ちになって自分側に寄り掛かり気味になる。自分から体を寄せてしまうと、相手に寄り掛かるポーズになる。これだと自分の方が崩れてしまっているので、当然技が上手く掛けられない。
○上半身の崩しが甘く、足だけで技に入ると、「払い腰返し」や 「掬(すく)い投げ」などの「返し技」を食らうリスクがある。
内股ほどではないけど。
以下が、「払い腰」の返し技。
払い腰返し
相手の払い腰を受けた上で、後方に投げる技。
技を受ける瞬間、腰を突き出して両手で相手の上半身をガッシリ引き寄せ、ブリッジをするイメージで後方に投げる。
ボールをバットで打つように、相手の技の反動を使う。
右払い腰を掛けられたら左後方に、左払い腰なら右後方に投げる。
谷落とし
右払い腰を掛けられたら左足を、左払い腰を掛けられたら右足を伸ばして相手の両足を引っ掛けて後方に投げる。
足は床にベタ着きになってもいい。
掬(すく)い投げ
技を掛けられている時に、その脚のももから股あたりを掴み、相手をひっくり返すように放り投げる。
多少足を払われそうになっていても、相手の脚を掬ううちに外れてこちらが優位なバランスになるので、 そのまま強引に放り投げるイメージで。
右払い腰の時は釣り手を、左払い腰の時は引き手を引き寄せておく。
右払い腰なら時計回りに、左払い腰なら反時計回りに車のハンドルを切るイメージ。
技を返す時は、下半身を掴んでも反則にならない。
隅落とし
「払い腰」を掛けられて倒れ込む際、自分より先に相手が床に落ちるように体を逃がす。
両手で相手の背中を床にペッタリ押し着ける動作をすると効果的。
これで「隅落とし」判定になり、ポイントも取れたりするのでおいしい返し技。
練習方法
○打ち込みで手順を1つ1つ確認しながらゆっくりやってみる。基本、手順④までを打ち込みの動作で行ないます。○形を覚えたら、少しずつスピードを上げてみる
○そこそこ出来るようになったら、跳ね上げて浮かせるところまでやってみる。
本当は投げるまでやるといいのだが、いちいち投げていたら相手が苦しいし、時間も掛かるので遠慮がちで!
(「投げ込み」だったら、バシバシ投げても可。)
○打ち込みの最後の1回で投げてみる
○釣り手の使い方
相手を引き寄せる際、前腕を床と垂直に立て、肘を軸にして自分側に親指を向けて引き寄せる。
その際、手首を親指側にクイッとひねると更に相手が吊り上がる。
内股と全くやり方は同じ。
目次に戻る
Googleアドセンス広告
連絡変化
単発で技に入っても、なかなか相手を投げられません。
技と技を連携させて攻める事を「連絡変化」といいます。
詳しくは以下の記事を読んでみてください。
【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
立ち技で相手を投げるためには、自分が技に入りやすい組み手に持っていく、相手を崩してから入る、連続で技を掛けて投げる… 【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
立ち技で相手を投げるためには、自分が技に入りやすい組み手に持っていく、相手を崩してから入る、連続で技を掛けて投げる… 【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
小内刈り(後ろ)→払い腰(前)
相手を後ろに崩し、体勢を戻そうと前に体重移動してくる所を狙って技に入る大外刈り(後ろ)→払い腰(前)
大外刈りをフェイントとして使い、足は浮かせたまま体を反転させて投げる目次に戻る
内股(前)→払い腰(前)
内股の決めが甘い場合、足を股から抜いてそのまま脚を払いに行く。ケンケンして体勢を整えても可。
支え釣り込み足(釣り手側)→払い腰(左)
相手を自分の釣り手側に引き寄せ、足を浮かせたまま払い腰に移行する八方崩し(前)→払い腰(前)
相手が前傾姿勢で技に入りにくい時、前につんのめさせるように執拗にあおってみる。相手がたまらずに体を起こしたところで技に入る。
やり方はこれだけではないので、自分の習得した技と組み合わせて掛けてみましょう。
目次に戻る
-
サプリメントの広告
【カツサプ】
・カツオ・ペプチド配合の運動補助食品。
・アミノ酸が2個つながった構造。
・血中乳酸の分解、筋肉疲労回復を目指す。
-
Googleアドセンス広告
応用
奥襟を持っての払い腰
こっちでやる人が圧倒的に多いかも。体に密着させて体格にものを言わせて投げる要素が強い技なので。
払い巻き込み
更に巨体を生かしたやり方。技に入る際、釣り手を離し、相手の腕を脇に挟んで体を預け、巻き込んでいく。
まあ軽量級でも、激しい攻防や動きの中で決めるケースはままあります。
「巻き込みデブ」
「払い巻き込み」をしようとして失敗するパターン。
ただブクブク太った、足腰フラフラの巨体を持て余したクソデブが、馬鹿の一つ覚えの様に使います。
崩しもへったくれもないので、ただただすっぽ抜けを繰り返します。
払い腰の基礎も覚えず、ただ体を使った巻き込みに依存している様を見ると、吹き出してしまいます(笑)
足車
同じ崩しで、膝から下を払うバージョン大車
同じ崩しで、ももから腰骨辺りを払うバージョン。三船久蔵十段(参考:ウィキペディア)が考案した技。
広告
リンク
【三船久蔵】
明治~昭和初期に活躍した伝説の柔道家。
「理論の嘉納(治五郎)」、「実践の三船」と称される。
柔道最高位の10段。柔道の神様。
大車、隅落とし(空気投げ)、球車などの技を考案する。
1964年、東京五輪の柔道の試合で審判を務めた。
明治~昭和初期に活躍した伝説の柔道家。
「理論の嘉納(治五郎)」、「実践の三船」と称される。
柔道最高位の10段。柔道の神様。
大車、隅落とし(空気投げ)、球車などの技を考案する。
1964年、東京五輪の柔道の試合で審判を務めた。
目次に戻る
とりあえずこんな感じです。
軽量級にとっては、天敵のような技になります。対処法としては、奥襟をつかませず、 相手の懐に潜り込んでの背負い投げや、捨て身小内などが有効的です。
重量級から奥襟を持って体を生かした技を使われると、軽量級はひとたまりもありません。
耐えるのが精一杯で、返すのも厳しいと思います。
同じ体格同士でも有効な技ですが、返されるリスクも高まるので、不用意に単発で攻めないのが得策です。
PS.
柔道着、サポーターなどのグッズを紹介した記事も書いていますので、ぜひ一読を!
柔道着、サポーターなどのグッズを紹介した記事も書いていますので、ぜひ一読を!
広告
リンク
【女子柔道部物語】
女性初の柔道五輪金メダリスト恵本裕子(参考:ウィキペディア)四段が原作。
主人公は恵本さんがモデルの神田えも。
こちらも高校から柔道を始め、最終的にオリンピックで金メダルを取るというサクセスストーリー。
実際もそうだったか不明だが、柔道部の女子部員が全員チート級に強い。
逆に男子部員は、なぜか万年1回戦負けの超弱小。
一旦漫画家を引退した小林まこと先生の再起作。
当然他の追随を許さない柔道描写で、今度は女子柔道漫画のバイブルとして進化している。
大好評連載中。
女性初の柔道五輪金メダリスト恵本裕子(参考:ウィキペディア)四段が原作。
主人公は恵本さんがモデルの神田えも。
こちらも高校から柔道を始め、最終的にオリンピックで金メダルを取るというサクセスストーリー。
実際もそうだったか不明だが、柔道部の女子部員が全員チート級に強い。
逆に男子部員は、なぜか万年1回戦負けの超弱小。
一旦漫画家を引退した小林まこと先生の再起作。
当然他の追随を許さない柔道描写で、今度は女子柔道漫画のバイブルとして進化している。
大好評連載中。