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『三勇士』
シナリオその6

「その5」からの続きです。

 

尋問とハッタリ

TumisuによるPixabayからの画像
 

( Tumisuによる Pixabayからの画像)

○翌日、宿舎のテーブルで第5小隊の面々がトフィを中心に囲み、何やら書類を書いている。

トフィ
「ローゼス一味は結局、鉱山経営者と地方都市の間で労働者を斡旋する『闇ブローカー』だったようだな。
上官殿の尋問で白状したらしい」



フィレンツェ
「その事も報告書に書くのか?」



トフィ
「それは上官殿の方で書くだろう。
今回オレたちがしたことだけ書けばいいんだ」



ガトー
「結局村役人のアムドはどうなったんだろう?」



トフィ
「巡検隊長の預かりになっている。
役場の一室に拘束しているらしい。
今日中には尋問を行うだろう」



フィレンツェ
「昨夜のうちに聞いてなかったのか?
のんびりしやがって!」



トフィ
「仕方がない。
オレらの報告書待ちなんだから」

トフィ
「現場に行ってもなければ、俺たちに指示も出してないんだ。
何を聞いていいのか分かるわけないだろ?」



全員大爆笑。


フィレンツェ
「しかし1つ感心したのは、よくトフィがローゼスの手口を調べていたことだ」

フィレンツェ
「あの短時間で、労働者の奴隷的待遇まで他の仲間達から聞き出したのか?」



トフィ、ちょっと赤面し

トフィ
「あれは…ハッタリだったんだ」



一同どよめく。


ガトー
「ええええ~!?
もし違っていたらどうするつもりだったんだ!」



トフィ
「そこは心配ない。
そもそも奴らのような人種は、どんなに本当の事を言われても証拠がなければ、いくらでもしらばっくれる。」

トフィ
「しかし一旦証拠をつかまれると、事実を指摘されればもう素直に認めざるを得なくなる」

トフィ
「誤魔化せば誤魔化すほど不利になるからな!
急にしおらしくなってしまうものだ」



ガトー
「確かにあの時はそんな会話の流れだったけど、全くのデタラメなら否定するだろう」

ガトー
「…つまりトフィのハッタリがドンピシャで当たっていたということか?」



フィレンツェ
「それにしてもよく当てられたよな!
何か確証があったのか?」



トフィ
「正規のブローカーなら、村役場に堂々と交渉して労働者を斡旋させればいいだけだ。」

トフィ
「事実、かつて村の外への移住が禁止されていたのが40歳以降ならOKになっているんだ。」

トフィ
「いま時代も急激に変わってきている。
交渉次第では20歳以上でも可能になるんじゃないか?」



ガトー
「まあ、俺達も『正式』に兵隊に採用されるかもしれないしな! と、いうことは…」



フィレンツェ
「そうせずに裏でコソコソやっている事自体、労働者に良い条件が与えられる訳がないということだな?」

フィレンツェ
「飽くまでバレずに『不当』に荒稼ぎしたいわけだからな!」




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責務と赤面

Chalo GarciaによるPixabayからの画像
 

( Chalo Garciaによる Pixabayからの画像)

○村役場の主賓室、巡検隊長とトフィの話していた上官殿(中隊長)が話している。

中隊長
「隊長殿、真相が分かって良かったですね!」



隊長
「…そうか?この村の文化に介入してしまったのだぞ?」

隊長
「確かに小細工はよろしくないが、アムド殿も村の若者たちの境遇を憂慮しての行動…。
よく話をきいてやらねばならぬな。」



中隊長、まだそんなこと言っているのかといった表情。

中隊長
「しかし、第5小隊の青年たちもよくやってくれました。
首都に戻ったら表彰すべきでしょう!」



隊長
「おかしい事をいう…。
あいつらは調査を休止したといっていたのに、うそをついていたのだぞ!」

隊長
「そもそもが軍規違反じゃないのか?」



中隊長
「中止じゃなくて休止ですから…。
緊急事態があれば即座に再開するのが通常でしょう」

中隊長
「今回隊長殿にお伺いをたてる余裕もなかったという事でしょう」



隊長
「まあ良い。ともかく報告書を読んでアムド殿と面談し次第、今回の巡検の総括をする」

隊長
「最終的な結果を王に報告するのが、私の責務だからな」



中隊長
「……」




○報告書を出した後、役場に残って報告を待つトフィフィレンツェ、ガトー


フィレンツェ
「トフィ、俺等はいない方がいいんじゃないのか?」



トフィ
「何を言う!事件を解決に導いた当事者じゃないか!
お前とガトーがいなけりゃ、隊長や上官殿から質問されたときに正確に答えられないだろ?」



ガトー
「例えば『フィレンツェはなぜ女装が得意なのか』とか?」



トフィ、フィレンツェの目を見て、笑いをこらえている。


フィレンツェ
「…小さい頃からあまりにも『女の子みたい!』とからかわれてきたから、【一回本当に女になりきってみたら, どこまで馬鹿にした奴らをダマせるか】と、やってみたことがある」



ガトーに「余計な事言うな!」とにらみつつも、訥々(とつとつ)と語りだした。


ガトー
「で、どうだったんだ?」



フィレンツェ
「腹立つ事に、誰も俺だと気付かないんだ。
告白までされる始末だ」

フィレンツェ
「自分で種明かしなんてできない。
ただの女装趣味と思われるからな!」



トフィ、声こそ出さないが肩を小刻みに震わせて笑っている。

目にも少々涙が。

フィレンツェ、顔真っ赤っか。

ガトー、とにかく良かったといった表情。


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暗雲

Keli BlackによるPixabayからの画像
 

( Keli Blackによる Pixabayからの画像)

○上官がトフィらの待機部屋に1人でやってくる。

中隊長
「トフィ小隊長、今回の件、ご苦労であった」



トフィ
「はっ、ありがとうございます。
して、隊長殿は何と?」



隊長は既に報告書を読んで、アムドとの面談も終わっているようだ。

3人共に緊張の面持ち。


中隊長
「はっきり言って、しっくりこない総括をされた。
とりあえずローゼス一家は牢獄行きとなった」

中隊長
「生贄(いけにえ)という名目で出稼ぎに行こうとした若者達は、特に罪に問われることもない」



フィレンツェ
「よかった!
ですが、それのどこがいまいちと?」






今回はここまで。

「その7」に続きます。


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