『WEB漫画『三勇士』シナリオ=その5』中年ニート在宅ワーク希望ブログ
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WEB漫画
『三勇士』
シナリオその5

「その4」からの続きです。

 

女性の正体

Stefan KellerによるPixabayからの画像
 

( Stefan Kellerによる Pixabayからの画像)

○すると女性が大声で叫んだ。


「ガトー、入ってきていいぞ!」



音域の高いきれいな声だったが、その声は明らかに青年だった。


ガトー
「フィレンツェか!?」

ビケット
「えっ、へっ!どこに?」



新兵はまだ状況を把握できていない。


女性は何とフィレンツェだった。

先程までの怯えた表情、華奢(きゃしゃ)な肩や柔らかい腰つきがまるで嘘だったかのように、そこにいたのは紛れもなくフィレンツェだった。


ガトー
「人身売買の現行犯だ!貴様らを連行する」



アムド
「この女、巡検隊とグルだったのか!」



ローゼス
「人聞きの悪い!
確かに村のしきたりには反するが、我々はこの女性を救ってあげようとしたのだ! リスクを省みずな!」

アムド
「そ、そうだ!
むしろそう仕向けたのはお前らの方じゃないか!
これがもし巡検隊長のご指示でなければ、お前らの先走ったおとり調査を訴えるからな!」



ガトー
「しらばっくれても無駄だ!」

ガトー
「儀式を隠れ蓑にした労働力の提供、抜け穴を掘る、村の出入り口に馬車を用意している周到さ、更に個人でリベートを受け取っていた事、全て筒抜けだ!」

ガトー
「貴様らの会話は、一言一句漏らさず控えている!」



彼らの会話を全て記録したメモをドヤ顔で新兵が掲げる。


アムド「あわわ、まずい」という表情。

しかしローゼスは開き直る。


ローゼス
「何が悪い!
我らは昨今の産業の目覚ましい発展により常に労働力不足だ。
それなのに、この村の若者は仕事がなく毎日の飯にも事欠く始末。」

ローゼス
「村のしきたりに縛られ苦しんでいるのだ。
彼らと我らの利害関係が一致したに過ぎない!」



「グムっ」という表情のフィレンツェ、ガトー


?
「笑わせるな!」




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生贄(いけにえ)の正体

Arek SochaによるPixabayからの画像
 

( Arek Sochaによる Pixabayからの画像)

○岩壁の抜け道から背の高い男が這い出てきた。

トフィだ。

トフィ
「貴様らが足下を見て不当に安い給料で超苛酷な長時間労働を強いているのは調べがついているんだ」

トフィ
「一旦村を出た若者は、その脱出費用と住居などのインフラ代金として多額の借金を背負わされる」

トフィ
「仮に数十年かけて借金を返済したとしても既に生け贄として死人扱い、一生村に戻る事さえできない。
貴様らに使い潰されるだけの人生になってしまう」

「それは本当なんですか?」
続々と先程生け贄として洞穴内に入っていった若者達が出てくる。


トフィ
「抜け穴の先も、貴様の仲間が乗ってきた馬車も押さえてある。
後、フィレンツェに襲いかかった3人の暴漢どももな!」


フィレンツェに目配せし、やや笑いをこらえるような表情をするトフィ


トフィは報告を受けたのち、馬車と待機していた黒幕の仲間らを拘束していた。

その後新兵のうち5人を儀式の洞穴に、自分を含む5人で抜け道の入口である岩戸に向かった。

フィレンツェ、ガトーの所に向かった新兵は、途中でメモの付いた松明(たいまつ)を見つける。

そこにはこう書いてあった。

『左に10m入った所に、俺を襲った黒幕の手下共を縛り付けてある。
至急こいつらをトフィのもとに連行してくれ。
オレはガトーの元に向かう。
こっちのほうは任せておいてくれ。

by.フィレンツェ』
すぐさま新兵が向かうと、3人の男が木に括(くく)り付けてある。

ケガをしているのかウンウン唸っている。

その頭上に木にナイフで刺してあるメモがあった。

『我々は生贄(いけにえ)の儀式を利用し、マキ市の鉱山町に労働者を送った張本人達である。
協力者には村役人のアムドがおり、儀式の洞穴に続く抜け穴にフタをする役目を担っている。
報酬として、彼には多額の賄賂を支払っている。

by.ローゼス一味』



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フィレンツェの正体(笑)

Enrique MeseguerによるPixabayからの画像
 

( Enrique Meseguerによる Pixabayからの画像)

フィレンツェvs.暴漢3人エピソードの続き。

男A
「いいねぇ~その表情!ホントいい女だわ!」

男B
「大人しくしていれば、全部聞かせてあげるよ~」

男C
「まあ、痛いのは最初だけだから」



フィレンツェ
「その言葉、そのまま十倍返しにしてもいいか?」



〇数分後、負傷した3人の男が手足を縛られ、木に縄でくくりつけられている。

ご丁寧にケガの応急処置までしてある。


傍(かたわ)らに剣を持つフィレンツェ


フィレンツェ
「安心しろ、致命傷じゃない。
1日2日は死なんだろう。
助けを呼ぶのは構わんが上の張り紙を見られたら、牢獄行は確実だな!」



男Aに対し、

フィレンツェ
「女々しく泣くなよ!」



男Bに対し、

フィレンツェ
「もうオレは現場に向かうから、大人しくしてもいいぞ?」



男Cに対し、

フィレンツェ
「ちゃんと治療してやったから、痛いのは最初だけだったろ?」



男ABCの発言を見事に逆実行してみせたフィレンツェ

そのまま振り返らずに現場に走っていく。



男A
「あいつ…人として何か失っている。
オレらより手慣れてやがる!」

男B
「ううっ、剣捌(さば)きが怖かったよ~!
全部白状させられた…」

男C
「オレと違ってヤツはサディストだ!」



十倍どころか百倍返しでやられた御三方。

新兵達に泣き事を言っている。



アムド、完全に観念した様子。

ローゼスは顔面蒼白になり、

ローゼス
「お前ら若者が今回の事を、自分達だけの判断でやったというのか…
迂闊(うかつ)だった…
私は国の兵士というものを甘く見ていたようだ…」



その後ローゼスは一言も喋ることなく素直にお縄についた。

こうして、事件は解決した。




今回はここまで。

「その6」に続きます。


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