柔道技解説第5弾。「小内刈り」を解説します。
大内刈りと同じく、「小技」と呼ばれたりします。
「大技」とは背負い投げや体落としなどの決め技、「小技」は大技に行くための崩し技のような扱いになります。
この技も体格の大小に関係なくよく使われる技ですが、強いて言えば軽量級の人が得意な傾向があります。
小内刈りの上手い人だと、これだけで一本を狙えます。
切れ味鋭く、後頭部を直撃して脳震盪を起こすこともありますが、大外刈りよりは危険度は低いです。
技の掛け方
手順
ここでは右組手で説明します。左の人はそのまま反転してください。①右自護体で組み、右側による
②相手の両足の手前10㎝、両足幅の中央あたりに右足を踏み込む
・膝を曲げて少ししゃがむ
・指先は右斜め向きにする。踵(かかと)は浮かせた状態。
③続いて左足先を右足の土踏まず辺りにややずらして踏み込む
・踵は浮かす
・引き手と釣り手を自分の胸にギュッと絞るように寄せる。
女性が巨乳アピールするような両腕の形をイメージ。(セクハラ表現ですみません!)
・頭を相手の胸につきそうなくらい寄せる、目線は、相手の右足先に向ける
・つま先立ちで相手にほぼ密着してしゃがむので、重心が後ろに行きそうになるが、そこは両腕を絞ることでカバー。
④右足つま先を相手の両足の間に通す
・膝からつま先までほぼ一直線に伸ばす
・足裏1つ分相手の右足スレスレの位置に差し込む
⑤自分の足首から脹脛(ふくらはぎ)の間で、相手の右脚の同じ所を草刈り鎌でサクッと刈るように叩く
⑥相手の右足踵(かかと)を自分の踵に引っ掛けて、膝を曲げていきながら自分の足元に引き寄せていく。 尻もちをつかせるイメージで。
・右足小指を畳にスレスレに擦るように動かす
・膝は曲げ過ぎずに、右脚全体が緩やかにカーブしているイメージ
・同時に絞っていた釣り手を下に突き出し、右足を追うように落としていく。拳の小指側で押していくと力が伝わりやすい。
ブチ切れた時に、机を「ダーン!」と叩くイメージで!
⑦自分の足元に相手が倒れ込むイメージで倒す。最後まで釣り手を相手の胸に突き押す。
・最終的に右腕が伸び切るようにする
・引き手は終始絞ったまま。肘は横っ腹に着けっぱなし。
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ポイント
○懐にしゃがんで踏み込む事で相手の重心を左足1本に集中させ、そこを刈って倒す○引き付けて密着し、相手を逃がさないようにする
○相手の脚を叩いたら、自分の踵と相手の踵を引っ掛けて噛み合わせてから、自分の足元に引き寄せるイメージで。
注意点
○引き手と釣り手を絞る際に、自分の重心が後ろに行かないよう注意!○軸足の足裏がベタ付きだと、自分の重心が後ろにいってしまう
○引き手と釣り手を絞らないで足を掛けると、効きが悪くなる。逆に後ろから足を掛けられて投げられてしまう事も。
練習方法
○打ち込みで手順を1つ1つ確認しながらゆっくりやってみる○形を覚えたら、少しずつスピードを上げてみる
○打ち込み時は、右足を差し入れる所までか、軽く足首上を叩くところまでやる
○型を安定させたい、またはスピードを上げたいのであれば、踏み込み迄の打ち込みでも可
○投げる時、脚の動作は刈る前よりも刈った後の動作を大きくする。
本当は投げるまでやるといいのだが、いちいち投げていたら相手が苦しいし、時間も掛かるので遠慮がちで!
○打ち込みの最後の1回で投げてみる
釣り手のより良い使い方
足を掛けると同時に、相手の左ほほから顎(あご)辺りに拳を押し当てる動作を取る。相手の重心が右脚に寄るので、脚を刈った時の「草刈り鎌スッパリ」具合も増す。
ただし、パンチを入れない事(笑)
1人で練習してみる
相手の足の位置を想定し、踏み込みから足を掛ける所までやってみる。釣り手は相手を床に叩きつけるイメージで下に伸ばす。
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連絡変化
単発で技に入っても、なかなか相手を投げられません。
技と技を連携させて攻める事を「連絡変化」といいます。
詳しくは以下の記事を読んでみてください。
【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
立ち技で相手を投げるためには、自分が技に入りやすい組み手に持っていく、相手を崩してから入る、連続で技を掛けて投げる… 【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
立ち技で相手を投げるためには、自分が技に入りやすい組み手に持っていく、相手を崩してから入る、連続で技を掛けて投げる… 【柔道実践マスターシリーズ=連絡変化=】
ハ方崩し(前)→小内刈り(後ろ)
相手をあおり、手前に引き上げたところに技を掛ける。
足払い→小内刈り(右後ろ)
左右のどちらでもいいのでフェイントで足払いを掛け、すぐさま小内刈りを掛ける。
大内刈り(左後ろ)→小内刈り(右後ろ)
大内刈りで右後方に崩し、相手が体制を立て直そうと左脚に重心を移動する所を狙う。
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内股(前)→小内刈り(後ろ)
相手の股ぐらに差し入れた足を使い、そのままの流れで刈る。
背負い投げ(前)→小内刈り(後ろ)
背負い投げで決めきれない時、またはフェイントとして背負い投げを掛けた後、相手の右脚を刈る。
ただし、背負い投げが半身で中途半端な状態でないと入りにくい。
やり方はこれだけではないので、自分の習得した技と組み合わせて掛けてみましょう。
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応用
捨て身小内
あからさまに先にズボンを掴まなければ問題なし。
釣り手を離して相手の足に添える形で、相手の懐に飛び込む小内刈り。
釣り手で崩す代わりに、自分の体を預けて転がっていく。
そのため、「捨て身小内」という。
但し踏み込みが浅く、遠目から技を掛けた場合、返されるリスクがあるので注意。
最初に踏み込んだ足先も左向きになっていると、簡単に返されやすい。
低い位置から技を掛ける
軽量級に多い傾向だけど、お互いに前傾姿勢で組み手争いをしている中、 膝が着くか着かないかの低い位置から大きく踏み込んで相手の足を刈っていく。
ちょっと刈る程度でOK。刈られて足がスコッとずれたタイミングで、上半身の崩しを駆使して相手の体をひっくり返す。
前方への鋭く速い突進力が肝。
腹筋と足腰の強さがないと、なかなか出来ないかも。
臍の部分・帯の結び目を掴んで技を掛ける
引き手を離して前側の帯を掴んで引き寄せ、足を掛けていく。
前回(2016年)のオリンピックで、大野将平選手(参考:ウィキペディア)がこの技で「一本」を取った。
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以上です。僕の説明したやり方は、師匠である町道場の先生から教わったものです。
それから自分なりに追究してこの形を作りました。
マスターできれば、切れ味・威力共に絶品なので、是非練習してみてください。
PS.
柔道着、サポーターなどのグッズを紹介した記事も書いていますので、ぜひ一読を!
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【女子柔道部物語】
女性初の柔道五輪金メダリスト恵本裕子(参考:ウィキペディア)四段が原作。
主人公は恵本さんがモデルの神田えも。
こちらも高校から柔道を始め、最終的にオリンピックで金メダルを取るというサクセスストーリー。
実際もそうだったか不明だが、柔道部の女子部員が全員チート級に強い。
逆に男子部員は、なぜか万年1回戦負けの超弱小。
一旦漫画家を引退した小林まこと先生の再起作。
当然他の追随を許さない柔道描写で、今度は女子柔道漫画のバイブルとして進化している。
大好評連載中。
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